file-1「余韻」
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管理局X-FILE seasonⅡ

file-1「余韻」






X-FILE No00256389、通称「アースラ乗員消失事件」あの事件から1ヶ月が経った。
ロストロギアの正体・目的など実態は不明なままだったが対象の破壊という形で事件は処理、
私は心の隅に疑問を抱えながらも日常生活に戻っていた……
ガチャリ
私「ただいま」
娘「ただいまー」
普段は旧知の友人に頼んでいるが、その日珍しく定時に帰れた私は娘を幼稚園に迎えに行けた。
娘「たいちょーたいちょー!おとどけものはいってたよ!」
私「ん?」
送料が先払いされた小包……珍しく管理局ではなく民間宅配業者を介した物だった。
私「差出人は……リンディ・ハラオウン……?」

それが―――始まりだった。


管理局X-FILE seasonⅡ file-1「余韻」




私「とりあえず……ゴホン、隊長はやめなさいと言っているだろう」
娘「だってたいちょーだもん。つよくてかっこいいたいちょー!」
前に部下達を家に招いた際に私が隊長と呼ばれ敬われる姿を見て感化されてしまった様だ。
娘「あのねあのね!きょうおえかきでたいちょーのことかいたよ!」
私「いや、うーんだから……え?お絵描き?」
差し出された画用紙にはつたないタッチで塗り分けられた人らしき姿。
たいちょーと書かれていなければそれが私であるとはおよそ想像すら出来ないだろう。
私「私の絵を……グスンッ……そうか、上手……グスッ」
だが親とは理屈で物事を捉えない生き物なのだ。
娘「たいちょー?ないてるの?」
私「泣いてる?そんなわけないじゃなグスッ……あぁそうだ中身は……」

誤魔化すように小包を開封すると、そこにはデータディスクが1つあるだけだった。




データディスク……管理局を通さなかったという事はそれなりの理由がある……か。
娘「たいちょーおなかすいた~」
私「あぁ、そうだなまずは晩御飯だ。今日はトンカツだ」
娘「やったねたいちょー!あしたはほーむらんだー!」

………………

娘を寝かしつけてから私は書斎へ向かい例のデータディスクを見る。
中身は事件後のアースラの事後処理や損壊状況の詳細のようだ。
だが律儀に報告してくれるなら本局へ送ってくれればいい、直接私へ届けたからには……
私「あった……これか」
報告書の文書ファイルの中間に全く関係無い文章群があった。
そこには事件に対する考察が述べてあり私の考えも聞かせて欲しいといった内容だった。
なるほどX-FILE扱いの事件を掘り返すような内容では本局に睨まれるだろうな。
しかし何故こんな形で……?聞きたいだけなら直接会って話すなり方法はあるだろうに。




後日私は事後処理の手続きという名目でアースラへ直接赴いた。
リンディ提督、彼女があんな回りくどい方法で接触してきたからには絶対何かある。
そう短くない付き合いから確実に厄介事であるのは間違い無いだろう。
だがそれを無視できないのが後輩という立場の悲しい宿命だ。
ヴォーン
トランスポーターで到着すると――――

局員「待ってー!返してー!餡!飴あげるから!」
局員「ほらープリキュアの塗り絵だよーってん?誰だこれ?偽者?」
局員「ハッ!時代遅れもいいところだないいかスプラッシュスターはだな」

瞬間、私はあの事件で経験した痛みを―――
命懸けの場面での緊張感、それとはまた別の脅威
―――あの事件で経験した胃の痛みを取り戻してしまった。




グッと拳を抑えて彼らに尋ねる。
私「失礼。ここの艦長、リンディ・ハラオウン提督に面会の約束を貰っている者だが……」

局「へ?あ、隊長さんじゃないですか」
局「その節はお世話になりました!あれ?敬礼ってどうやるんだっけ?」
局「あ゛あ゛ー!やっと手に入れたおれのDSLiteがー!?」
見ると見覚えのある子供が折り畳み式端末のような物を逆に開いて壊した所だった。

エイミィ「あ!すいません席を外していて……ようこそ、艦長がお待ちですのでこちらへ」
この世の終わりのような慟哭を響かせる局員を置いて私は応接室へと通された。
エイミィ「あのーあれはあんまり気にしないでくださると助かります……」
私「あぁわかっている……君も大変だな」
私は彼女の普段の気苦労を想像して心底同情した。




カシュン
応接室には既に彼女がいた。
私「お久しぶりですリンディ先ぱ、ゴホンすいませんリンディ提督」
リンディ「お久しぶり、この前は挨拶だけだったしね。それに先輩でいいって言ってるでしょ?」
私「いえ、何事もけじめが肝心ですので」
リンディ「相変わらずねぇ。ま、そこがあなたの長所でもあるんだけど。とりあえずお茶でも飲ん」
私「いえまずご用件を!是非!今すぐ!お茶は結構ですので!」
老後を考えるとあの血糖値上昇飲料は遠慮したい。
リンディ「あらそう?それじゃ本題に入るけど……データディスクは見てくれたかしら?」
私「えぇ、あの事件に関して私の見解を聞きたいとか……」
リンディ「えぇ、解決した当人であり唯一事態を見届けたあなたの考えを聞かせて欲しいのよ」
私「管理局を通さずに届けたのは?」
リンディ「だって偉い人が嫌な顔するでしょう?最悪あなたに届かないかもしれないし」
自分も十分その偉い人に含まれる地位だという事を無視してまったくねーといった顔をしている。





私「私の見解を述べるのは構わないのですが……何故かと聞いてよろしいでしょうか?」
至極当然の疑問として尋ねた、が私はすぐにそれを後悔する。
リンディ「もちろんあなたにも説明するつもりよ?そのために来てもらったんだし」

―――しまった……この人はそうだった。
のほほんとした空気を纏いながらも常に自分のペースに周囲を巻き込む。
彼女が提督職に就く前、私が彼女の部下であった頃にも散々経験してきたじゃないか……
討伐指定の生物に同情して人のいない僻地へ移住させて虚偽の報告をする(私が書類を偽造)
形にできる証拠が無いが冤罪だと判明した指名手配犯を助ける(私が証拠を捏造)
不正を黙認するよう圧力をかけてきた上官を解雇(私が週刊誌に情報をリーク)
管理局服務規定に抵触する数々の出来事の片棒を担がされてきたのだ。
この人は利己主義な一部の上層部を嫌っている。口にはしないがその分行動で示すから怖いのだ。
そんな彼女が、リンディ・ハラオウンが何か企んでいますと読み取れるあの笑顔を浮かべている。
あぁ……私は堂々とした罠に何の疑問も持たず、気付かず、足を踏み入れてしまったのか……





その後詳しい話を聞かせるからと私は何故か会議室へ通された。
部屋へ入るとクロノ執務官を始めアースラの主要スタッフや関係者が集まっていた。
クロノ「お久しぶりです。それと先の件ではご迷惑をおかけしました……」
開口一番挨拶と同時に謝罪してくる。病室でも散々頭を下げられたというのに律儀な事だ。
彼はどうにも責任感が強過ぎるきらいがあるな。
確かに責任ある立場としてはいい事だが私の様に胃が弱くならないか心配になってしまう。
他にもエイミィ嬢や魔導師の少女達……いや一人は少年か。それに何故かあの局員達もいる。

リンディ「それでは、皆集まった事ですし始めましょうか?」
エイミィ嬢に目配せする提督。彼女がパネルを操作すると同時に部屋に機密結界が張られる。
念話も通さない情報機密を目的とした結界……あぁ嫌な予感が膨らんできた。
これから聞かされる話がよからぬ企み事、つまり私の胃が痛くなる話であるのは間違いなさそうだ。
それに何より―――リンディ提督が凄く楽しそうな顔をしている。





なのは「あの……リンディ提督、私達何でここにいるのかわかっていないんですけど……?」
リンディ「うふふごめんなさいね、今からそれも説明するから」
どうやら事態を把握できていないのは私だけではないらしい。
はやて「(ヒソヒソ)なんや知らんけどリンディ提督楽しそやなぁ」
ヴィータ「って言うか悪巧みしてそーな顔だよな」
リンディ「あらそうかしら?」
はやて「こら!なんてこと言うんやヴィータ!」
ヴィータ「い!?え、あ、その、ゴメンナサイです……」
局員「ナイショ話を念話に頼っているとこういう時に音量の調節ができないんですね」
局員「だがそれがいい!」
シグナム「全く……そういう配慮の至らなさが未熟だと言っているのだ」
ヴィータ「あんだと!?何かってーと未熟未熟ってこじつけんなこのおっぱい魔」
シグナム「その先を言うな!」

……話とやらはいつ始まるんだろうか。




局員「シグナム殿!殿中!殿中でござる!」
フェイト「シ、シグナム落ち着いて!」
シグナム「お前と言う奴は何かにつけて人の身体的特徴をあげつらって……それでも騎士か!」
ヴィータ「そんなのお互い様でごぜーますですー!やるってんなら表出ろ表!」
スパパーン
はやて「二人ともその辺にしとき?(ゴゴゴゴゴゴ」
シグナム「う……すみません、主はやて。取り乱しました」
ヴィータ「うーゴメンナサイ……」
少女ながら貫禄のある言葉は流石夜天の主と言った所か。だがあの紙を畳んだような武器は何だ?
リンディ「さてと、落ち着いたところで本題に入りましょうか」
あの馴れた表情、こんな事が日常茶飯事なのか……私には無理だ、1週間で入院してしまうだろう。
リンディ「じゃ、まずはユーノ君お願いね?」
ユーノ「あ、はい」
ようやく話が進むようだ。促されて席を立ったのはブロンドヘアの少じ……少年。
何度見ても声を聞いても間違えそうになるな……いい加減慣れねば彼にも失礼だ。



ユーノ「えぇと、まずはこの子を紹介したいんですが」
この子?言われて初めて気が付いたが彼の後ろに隠れるように誰かいる。
子供……?そうだ、私が到着した時に局員達と一緒にいた子供だ。
無造作に伸びた黒髪、黒い服……と言うかただの布に頭と手の穴を空けたようにしか見えない。
そうだ、こんな子供は初めて見る。何故あの時「見覚えがある」なんて思ったんだ?
リンディ「この子ね、あのロストロギアの一部みたいなの」
 【周りを見ると奴の枝には不自然に大きな実がついている。】
 【半透明の膜から覗ける中には今までよりやや輪郭がはっきりしたあの黒い端末が見える。】
 【私「お前の子供というわけか……薄気味悪いな」 】
………………は?
 【私が最後に見た今までと違う輪郭のある端末、考えてみれば人型に見えなくも無かった。 】
 【奴の能力"擬態"アレを端末にも可能にするために被害者達を分析していたのだとしたら……】

 【見ると見覚えのある子供が―――】
リンディ提督―――先輩は………………何を、言っているんだ……?



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