真相

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管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」

第10話「真相」




管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」⑩


前回まで
今まで戦ってきたのはロストロギアの一部に過ぎないことを知った"私"
大群に襲われながらも活路を見出そうとする中で、
ロストロギアの本体が人間に擬態していたことに気付く、その人物とは―――



だが何故だ、それでは本体があの人物に擬態していた事に矛盾が生じる。
最初から偽者だったとしたらもっと容易に全滅に追い込む事も可能なはずだ。
例えば端末であるアレを待ち伏せさせてそこへ誘導するなり方法はいくらでもある。
にも関わらず奴は今まで全力でアレに立ち向かっていたし仲間も助けていた……

ピピピピピピピピ
私のデバイスに情報が送られてくる、作業を続けさせた解析機からの結果報告だ。
アレは封印される直前に本体とのリンクを切ったようなので期待はしていなかった。
が、わずかに残った情報が解析できたようだ。
そこには……膨大なデータ量だったであろうある人物に関する情報の片鱗があった。





ロストロギアはたしかに超越した技術の結晶であることが多い。
だが現在の技術がそうであるように決して完璧な物ではないのだ。
闇の書やPT事件のジュエルシード等はその最たる物で滅多に出てくる代物ではない。
あんな物ばかりだったら我々などいくらいても役には立たないだろう。

「擬態」それが意味する所は変身魔法とは全く違う。
外面だけでなく内面までオリジナルと同じくして初めて成立する現象だ。
だがどんなにその人物の性格等を演じても思考を読まれればすぐに露見する。
よって人の身で完璧な擬態などありえない、だがこのロストロギアはそれを可能とする物なのだ。

恐らく擬態する対象を長期に渡ってリサーチするのだろう。
その結果性格、生活習慣、言動、果ては本人すら自覚しない癖等もデータ化する。
そうした上で本人と入れ代わり任務を遂行する。
擬態行為その物がプログラムによる行動だとしたらそこに意思は存在しない。
それ故に思考を読まれてボロが出ることも無い、ただ機械的に任務を遂行する兵器……





そう考えるとアースラは最初から狙われていたと言う事になる。
そして奴は事前に特定の人物をリサーチし、十分なデータを収集した上で入れ替わった、と。
「微力なロストロギア反応を感知した」と手記にあったがそれすら既に奴の計略だったのだろう。
つまりその時点で既に入れ代わった存在が本人として生活していた……!

だが既に「本体」の存在までも認識した私にはもう奴の擬態は意味を為さない。

アルフ『じゃあ機関室ならあたしらの魔力も感知されにくくなるってのかい?』
クロノ『高エネルギーを扱っているから万一の場合に備えて遮断するための結界があるんだ』
局員『中に入っちゃえば魔力が外に漏れないって話ですね』
局員『生死を賭けた一時間弱のかくれんぼ……フフフ燃えてきたぜ!』
■■■■『■■■■……■■■■■■■■■■、■■■■■■』

その人物、彼女の言葉はもうノイズ交じりの呻き声にしか聞こえなかった。




フェイト・テスタロッサ……彼女に成り代わっている物がロストロギア本体!
このロストロギアは「存在を認識した者は視認できる」という特性を持っている。
その最大の武器とも言える特性はしかし本体にすれば弱点でもある。
どんなに完全な本人であっても一度でも疑われれば正体が露見してしまうからだ。
そのリスクがあるからこそ端末である黒いアレが必要不可欠なのだ。
純粋な兵力として以上に任務遂行の要―――「明確な敵」としての存在意義。
アレを表舞台に出すことで「敵」に立ち向かう状況を作り自分に疑いがかかる可能性を消す。
本体が擬態した対象として行動しても端末が本体の存在を知っていれば問題は無い。
つまり格納庫での戦闘も彼女本人として戦う本体に端末が合わせた八百長だったのだ。

彼らが最後に向かった場所、機関室にはもちろん監視カメラなど設置されていない。
従って本体が潜んでいるであろうあの場所がどんな状況かは知る術が無い。
だが格納庫では出入り口を固めていた端末達が私の姿を求めて動き出している。
もう時間は無い……私は長年生死を共にしてきたデバイスを握り締め、
決着の場へと向かった―――





人一人の存在を情報にしたら膨大な量になることは間違い無い。
10代の彼女を選んだのも情報量を最低限に抑える意味があったのかもしれない。
だがアースラには最早私以外の人間はいない、つまり擬態するメリットは無いのだ。
ならばプログラムである本体は擬態に使う処理能力を「本来の任務」のために使うはずだ。
それは一体何なのか……
カシュン
私「っ!」
私の目前に異様な空間が広がる。
機械的であるはずのその部屋は、黒い木の根のような物が一面に広がっていた。
大小のその根は、しかしまるで生きているように脈打っている。
壁に床に余す所無く張り巡らされた脈がドクンドクンと奏でる音。
私「まるでB級ホラーだな……フン、化け物の親玉の巣にはピッタリか」

アースラの心臓とも言える機関室は、
今まさに巨大な生物の体内であるかのような様相を呈していた。




私「奴はどこに……」
異様な空気に飲まれてはいけない、既に奴は私の存在を感知しているはずだ。

周囲に対して神経を研ぎ澄ませつつ私は頭の片隅で新たな疑問を抱えていた。
フェイト・テスタロッサ、彼女には使い魔アルフがいたはずだ。
基本的に主人の傍を離れない使い魔の目を盗んで入れ代わることができるのだろうか?
そうだとすれば文字通り一瞬で入れ代わらねばならない。
だが彼女とて腕利きの魔導師、不意を突かれたとはいえそんな事が可能だろうか……
奴の端末は頭上からの奇襲が常套手段だった。
同じように……?いやそれでは流石に物音で気付かれるだろう。
入れ代わる際には周囲に「気付かれない」事が絶対条件だ。
あとは……足元か……?――――――――足元!!!!

ガシッ

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