本体

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管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」

第9話「本体」


管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」⑨


前回まで
ついに"アレ"を仕留めた"私"
だがそのコア部分には魔力は蓄積されておらず被害者の行方もわからない。
不安に駆られてブリッジに戻るがそこに部下達の姿は無く―――
背後にここ数時間でよく知った気配を感じるのだった。




ドクンドクンドクンドクン
だが「はずがない」等という言葉が通用しない世界が私の職場だ。
現実逃避は死に繋がる、考えている暇は無い、今は直感を信じて動け!

バンッ
私は背後を振り返らずブリッジを飛び出すとそのまま艦を出て格納庫へ転がり出る。
狭い空間で奴と渡り合うのは不利……
ここでやっと私は背後に感じた気配の正体を確信している自分に気が付いた。

ズルッズルッズルッ
小型艦のハッチからあの引きずるような聞き慣れた足音と、
カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ……
それとは別に何か硬い物を引きずるような音が近づいてきた。





ズルッズルッズル
カラカラカラカラカラン
ハッチから姿を現した影はやはり先程仕留めたはずの奴の姿だった。
だが一つだけ見慣れない物が、正確には見覚えはあるが先程は無かった物がある。
奴の体に突き刺さるように金属製と思われる棒が伸びているのだ。
あれは……


【ハンマーのようなデバイスを構えた少女がコマのように回転しながらアレに打撃を与える。】
【ドフッ】
【ヴィータ『アイゼン!?』】
【だがまるで手応えが無くデバイスはソレに埋まったまま動かない。】


そう、あの少女が持っていた大槌のようなアームドデバイスだ。
あの戦闘から突き刺さったままなのか?
だとしたら、私が戦っていたのは……アレとは別の個体だというのか。





ドガガガガガガガガガ
私「っ!」
咄嗟に攻撃を避けながら思考する。
仮に奴が別の個体だとしたらアレその物はロストロギア本体ではないのかもしれない。
それなら核に魔力が全く無かった事にも頷ける。本体に魔力を送ったからだ。
つまり奴は餌を集める働きアリ、女王アリは隠れ潜んで送られてくる魔力を蓄えている……?
私の推理が当たっているのなら本体を討たねばこの事件の決着はつかないという事だ。

奴の戦闘能力は驚異的だが絶対的ではない。現に我々は奴に勝って見せたのだ。
サポートが無いのはきついが一対一で勝てない相手ではない!
ビュオッガシッ
私「!?」
振り上げた腕をデバイスごと背後から掴まれる。動揺して背後を振り返ると―――
自分でも先程考えた、アレは働きアリだと。
働きアリが2匹だけなんて決まりは……あるはずも無いか……




ズルズルズルズルズルズルズル
背後の通路から涌き出るように姿を現す影、影、影、
一体どこにこれだけの数がいたというのか。
私「悪夢の方がまだマシかもしれんな……」
皮肉を言った所で状況が好転するわけではない。
どんなに絶望的な状況だろうと地を這って生き延びてきたのだ。
これしきの事で諦められるくらいなら―――とうの昔に死んでいる!

私「おおおおおおおおおおおおおおお!」
ズバンッ
腕を掴んでいた触手を断ち切り自分を中心に魔力を爆散させる。
ドガアアアアアアアン!
霧散する魔力残滓、だが奴らは同じ手は通じないと言わんばかりに即行動した。
私を探さずに格納庫の出入り口を封鎖するように貼り付いたのだ。





無論私とて易々と逃がしてくれるとは思っていない。
奴がこちらの位置を捕捉出来ない内に転移魔法を発動させる。
勝手を知らない場所での転移は難しいが一ヶ所だけ記憶に留めている。
モニタールーム、あそことここを結ぶ事ならば……出来る!
キイイイイイイイィィィィィン

転移は無事成功した。格納庫の映像を見ると奴らはまだ出入り口を固めているようだ。
あれだけの力を持つ魔力体をそう簡単に何体も生成できるはずがない。
あの大群は最初からいたわけではなく、恐らく集めた魔力を使って生み出したのだろう。
アースラを襲撃した時点で1体、我々の到着後に新たな個体を生成し、
アースラクルーに加えて私の部隊からも吸収した魔力でさらに量産した。
魔力を集めた分だけ兵力を増し、さらに多くの魔力を集める……か。
相手の全貌が見えてきた、どうやら戦略兵器の類であるようだ。






ここからは時間との勝負、奴らが気付く前に本体を探さねば―――!
私は焦る気持ちを抑えて先程の続き、クロノ執務官達の同行を追った。
確か……通信室に向かうと言っていたな。

クロノ『システムごと破壊……か、容赦無いな』
フェイト『どうしよう、これじゃあ助けも呼べないね……』
局員『ノオオオオオオウ!最期に見たアニメが大魔法峠!?成仏できません!』
アルフ『あーもーうっさい!こうなりゃあいつを叩きのめすしかないって事だろ?』
局員『いやでもなのはちゃんやユーノ君があんなにアッサリやられちゃう相手ですよ!?』
クロノ『本局が事態に気付くまで少なくとも30分、こちらに捜索が来るまでに10分ぐらいか』
フェイト『それまで時間を稼げればって事?』
クロノ『あぁ、情けない話だが逃げに徹すれば稼げない時間じゃない』
局員『任せて下さい、逃げに関しては誰にも負ける気がしません!』
クロノ『胸を張って言う事じゃない!』




相変わらずの漫才のような掛け合いだが何かおかしい。
しばしば画像の一部が乱れて見える……私の目が疲れているのか?
だが次第に画面が見えづらくなり声も途切れ途切れになる。

クロノ『だか……が……すれば……』
フェイト『……じゃあ……を……?』
アルフ『それな……こうに……いいんじゃ……』
局員『積み……ゲー……や……りた……い』
一人どうでもいい事を口走っている気がするがそれよりも、
ある人物の姿が、段々と、影法師のように見えてきて、
ついには……その人物の影が立っているような姿になった。
画面がクリアに戻り彼らは何事も無く会話を続けているが、
私にはその一人が何を言っているのか……もう聞き取ることは出来なかった。

■『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■』

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