封印
FC2ブログ

封印

ここでは、「封印」 に関する記事を紹介しています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」

第8話「封印」




管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」⑧


前回まで
音信不通となったアースラに乗り込んだ本局捜査官の"私"と部下一同。
捜査を進める中で「存在を認識した物にしか視認できない」謎の襲撃者に気付く。
記録映像からアースラの惨劇を知った我々にもついに敵の手が迫る。
"アレ"と実際に対峙することでその正体を理解し始めた私。
だが既に自分達以外は屠られ外部との連絡を断たれた今、
迫り来る脅威と戦い、これに打ち勝つしか生存の道は無かった。




ガシィィィィィン!
速攻、先と同じく部下達のバインド多重展開で奴の動きを封じる。
そこへ短い時間ではあるが先の戦闘で得られた情報を元に組んだ封印魔法をぶつける。
奴が奪った魔力を動力にしているのか蓄積しているのか、
どちらにせよ本体ごと吸収してから魔力を抜き出すというプロセスを踏んでいるからには……

私「奴の核に直接……撃ち込めれば―――!」
体内、つまり核となる部分に直接魔力が触れることを避けているためと思われる。
実際そうなった時奴に一体どんな影響があるのかはわからない。
崩壊するのか、あるいは最悪の場合で爆発という可能性もある。
だがこの危険極まりない存在を野に放つわけにはいかない、ここで葬らねば……!





私「くそっ、奴の魔力を御しきれない……!」
やはり即席で組んだ魔法では無理があるか―――
部下「隊長!下がってください!」
私が見ると奴は目の前でバインドを破壊してそのまま襲いかかってくる。
私「っ!結界!」
ガッ!
咄嗟に展開した結界に張りつくようにぶつかってくる黒い影。
だがその体から伸びた触手は結界に触れたかと思うとそこに壁など無いかのように抜けてきた。
私「うぐ……がはっ……!」
そしてそのまま私の首を、体を締め上げる。
部下「隊長ーーーー!」
私「構うな……逃げろっ……なんとか脱出して……本局に伝えろっ!」
奴は今までそうしてきたように、私を飲み込もうと体を広げる。
私の背丈の半分も無いと言うのに―――その内部は無限を感じさせる闇だった。





やたらと思考がクリアになり周りの時間の流れが遅く感じられる。
これが死の瞬間に人生を振り返るための時間、走馬灯という物なのだろうか。
だが私の脳裏に浮かんだのは家族や友人ではなく―――

奴はバインドを破壊したが力技には見えなかった、つまりバインドに干渉して消滅させたのだ。
恐らく格納庫で一度受けた時に解析したんだろう。恐るべき演算能力だ。
つまり奴が結界をすり抜けたように見えたのもあれは……!
結界の触れた部分だけに穴を開け、それを術者に感知させない高度なバリアブレイク。
ならばブリッジの結界システムが感知しなかったのも私が破られたと感じなかったのも納得できる。
何てことだ……奴の正体は高度なプログラムで動く魔力体!
「不気味な化け物」、奴が自身をそう演出していたのはバリアブレイクを感知させないためのフェイク……!
我々が奴に意思を感じるように仕向けたのもたのも全て計算された上での戦略の一環だったというのか……

死中に活を求める――仕事一徹で堅物と呼ばれてきた私だが今ほど自分の性格に感謝したことは無い。
思考を現実に戻す、私は掴まれた体を無理に動かし、デバイスを掲げた。





私「とんだハッタリだったな、プログラム相手なら方法はある!」
ギイイイイィィィィィン!
奴にこちらの魔力を注入し魔力の流れを乱す。
生物ならば問題無いが一定の魔力の流れに沿って活動するプログラムには致命傷だ。
数々のロストロギア――古代遺産や兵器を相手にしてきた中で私が編み出した技、
言語や術式など関係無く魔力その物に干渉してプログラムを乱す強制干渉魔法!

ドガッドガンッ
プログラムにエラーが生じたのか、不規則な動きで奴が暴れ出す。
私「今なら演算能力がまともに機能しない!動きを封じろ!」
部下「了解!」
再び動きを封じられると魔力を制御できなくなった奴の黒い霧のような姿が次第に霧散し、
私「封印!」
カランッ
最後には奴の核と思われる結晶体を残してその姿は消失した。


 

私「はっ!げほっ!」
部下「隊長!ご無事ですか!」
私「大丈夫だ、それよりも奴の核を!」
部下「確保しました!」

終わった――――か。
いやまだだ。自分の窮地を脱しただけでまだ事件は完結していない。
このロストロギアを解析し、可能ならば被害者達を救出しなければ。

私「格納庫に行くぞ、まずは本局へ連絡する手段を考えねば」
当面の問題は孤立状態の我々がどうやって本局とコンタクトを取るかだな。





部下「……」
私「……」
流石高度なプログラムだ、徹底的に容赦無く完膚なきまでにシステムは破壊されていた。
部下「これは……通信先を本局だけに設定した簡易システムでも3日は掛かりますね」
私「ふぅ……しかし他に手段もあるまい、やってくれ」
部下「わかりました!徹夜覚悟で仕上げます!」
私「全員でかかってくれ、私は例の核を解析してみる」
ロストロギアの捜査を専門とする我々の艦は現場での解析も必要になる。
そのため小型ながらそれなりの設備を搭載しているのだ。

私「妙だな……」
解析を始めて30分、核からはいくら調べても魔力反応が無い。
封印したとはいえあれだけの魔導師を取り込んだからには相当な魔力を蓄積しているはずだ。
それに被害者達を封印しているはずの内包空間も見当たらない。
何だ?まるで集めた魔力や被害者を最初から持っていなかったような……




私「皆聞け、例の核からは魔力や吸収された被害者が検知されなかった、どこか別の場所に」
カシュン
そう言いながら自分の見慣れたブリッジに入ったが―――

誰もいない。
ドクンッ
思考する前から背筋に嫌な汗が流れる。
ドクンッ
そんなはずはない、アレは私がこの手で封印したんだ。
ドクンッ
だから―――
ドクンッ
今私の後ろに感じている気配は―――
ドクンッ
奴であるはずがない――――――――

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://kyokuin.blog57.fc2.com/tb.php/19-2b93cdb0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。