認識

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管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」

第3話「認識」





管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」③


前回まで
連絡を絶ったアースラ、捜査班が向かうとそこは無人。
艦内カメラを検証しているとそこに映った黒い影。
もし見えない存在なら―――「私」はそれを考え恐怖を感じるのだった。




いや落ち着け、自分の想像に飲まれてどうするんだ。冷静に分析しろ。
彼女はアレを見知っていた、そして当然それを報告しようとしていたリンディ提督も知っていただろう。

「知っていた」……だからだろうか?

我ながら突拍子も無い思いつきだと思ったが相手が常識外だけにありえない話ではない。
私「別行動の班を1チームここへ呼んでくれ」
部下「わかりました。C班、至急モニタールームへ来い」

私の思いつきがただの妄想か、それとも真実か、これから検証するとしよう。






部下C-1「隊長、お呼びでしょうか」
私「あぁ、この映像を見てくれ」

私は先程トイレで消えた局員の一連の映像を彼らに見せた。

私「どうだ?」
部下C-1「妙……ですね、30分はいくらなんでも長過ぎます」
私「長い、か。一つ聞くが……局員以外に何か見えたか?」
部下C-1「?、何かとは?あの二人以外には特に誰も映っていなかったと思いますが」
部下C-2「えぇ、私も特に目立った物は見えませんでした」
部下「!?」
先程私と共に映像を確認した部下達が動揺する。
無理も無い、今見せた彼らにはアレが見えていないと言うのだ。
今も我々の目には一時停止した映像に映る黒いアレが見えていると言うのに―――





私はある種の確信を抱き更に検証を進める。今度は我々も実験台だ。
私「では引き続きこれを見てくれ」
今度は最初の映像、つまり女性が襲撃された映像を見せる。
先程と同じく何かを視認した女性が消えた局員がいた所と反対方向に駆け出す。
エイミィ『艦長大変です!違います!もう中に―――』

私「!!!!」
部下「……っ!あ……!」
この時、我々の目には先程は見えていなかった物が見えていた、
彼女が撮影範囲から消えるか否かと言うタイミングで、
画面反対側から凄まじい速さでやって来たアレが、

彼女に―――覆い被さるのを―――

カランッ







部下C-1「今のは……彼らは何者かの襲撃を!?」
部下C-2「姿が見えないようでしたがこれは一体……」
ドッドッドッドッドッドッドッ
私は鼓動が早くなる心臓を落ち着かせ最後の詰めに入る。
私「今の映像を、もう一度見てくれ」

だが確認するまでも無く私はもう答えを出していた。

エイミィ『艦長大変です!違います!もう中に―――』

部下C-1「なっ!今のは!?」
部下C-2「隊長!あの黒いのは何なんですか!?」
部下C-3「なんで!さっきはあんなの映っていなかったのに……!」

そう、今度は彼らにもアレの姿が見えていたのだ。






部下「隊長、これはどういう……」
まだ私の考えが100%正しいかはわからないが……
私「恐らくアレはアレの存在を認知した者にしか見えない」

つまりはこうだ。
我々は最初の映像で何も見えていなかった、だが次のトイレでの映像では見えていた。
C班の部下はトイレでの映像でも最初の映像でも見えていなかった、しかし2回目で見えていた。
我々とC班の差は何か、それは「何者かが襲撃した」と考えたかどうかだ。
明らかに逃げようとしていたあの女性の言動から我々は襲撃者の存在を予想した。
だからC班には順番を逆にして見せた、トイレの映像では襲撃者の存在は思いつかないだろう。
ただいつまで経っても局員がトイレから出てこない不審な映像に見えたはずだ。
そして次に最初の映像を見せ、同時に我々も見る事でアレの可視不可視が同時に起こり得る事を証明した。





私はすぐに全員をモニター室へ集め、アレを見えるようにした。
現状で相手の正体がわからない以上発見しても迂闊に交戦はせずに撤退・報告を厳命して再度解散した。
その後も私の班は引き続き記録映像をチェックし事態の把握に努めた。

局員『クロノ執務官!さっきからエイミィさんと連絡がつかないんですが……』
局員『休憩時間終わっても戻ってこないし部屋にもいないしどこ行ったんでしょう?』
局員『俺らならともかくエイミィさんがサボリなんてありえないし心配でゲームも再開できません!』
クロノ『あぁ、僕も探していたんだがまさか……』

見知った顔が映った。クロノ・ハラオン、彼には何度か会った事がある。
少々肩に力が入り過ぎているが真っ直ぐな少年で執務官としての能力は十分だ。
だがそんな彼もアレに■されたのかと思うと私はやりきれない思いだった。





クロノ『ひょっとすると既に深刻な事態に陥っているのかもしれない、すぐに警戒体制を――』
???『クロノ君!』

あれは……誰だ?
私はクロノ執務官の言葉を遮るように走ってきた少女を疑問に思った。
髪を両側で小さく結んだその少女は彼よりさらに年下、私の娘と同じ年頃に見えた。

クロノ『なのは!どうした!何かあったのか!?』
なのは『さっきからフェイトちゃんやアルフさんと連絡が取れないの!念話も通じないし何かあったのかも!』
クロノ『っ!まさか……もう!?』
なのは『どういう事?クロノ君は何か知ってるの!?だったら教えて!お願い!』
クロノ『実は……もしかするとアースラに非常に危険な奴が侵入しているかもしれないんだ』

核心に近づいた発言に私は真実へ辿り着ける期待と知ってしまうことへの恐怖を感じた。





なのは『危険な……奴?』
クロノ『あぁ、ここ数日微少ながら反応を感知していたロストロギアがあるんだがどうやらそれらしい』
局員『ちょー!早く言ってくださいよそういう事はー!』
クロノ『確実に裏が取れるまでは極秘扱いにしていたんだが……どうやらこちらが後手を踏んだらしい』
なのは『そ、それでそのロストロギアって言うのは一体!?』
クロノ『わからない、ただ魔力を持つ者を狙っているらしくてそれでアースラに進入したんだと思う。
    何者かが使っているのか、それとも単体で稼働しているのかもわからない』
局員『めちゃめちゃホラーじゃないッスか!エイリアン!?エイドリアン!?』
クロノ『そもそもロストロギアはどういう存在かわかっている事の方が稀なんだ』
なのは『ど、どうしよう……もしかしたらフェイトちゃん達はそれに……?』

なのはと呼ばれた少女が目に涙を浮かべて話している。
そうか「高町なのは」、アースラに協力しているこの次元世界出身の民間魔導師と事前資料にあった事を思い出した。




それよりどうやらアレはロストロギアの一種であるらしいがそれだけだ。
彼の言う通りロストロギアとは正体不明の存在や技術の事を指す、わけがわからない物の総称と言っていい。
そういった存在だからこそ管理局内で詳細不明のロストロギアはX-FILE指定なのだ。

クロノ『とにかく早急に対処すべきだ、なのはも一緒に来てくれ!ユーノやはやて達もすぐに呼ぶ!』
なのは『うん!大丈夫、きっとフェイトちゃん達は無事だよ!』
局員『『あ、俺らも行きますって!』』
ダダダダダ……
局員『うおーこえーマジやばくないって無視ですか!オーイ!』

気丈にも笑顔を見せるなのは嬢とクロノ執務官はそのまま去って行った。
そしてここの局員にはもういい加減慣れてきた私に気付いた。






これでまた一つ状況が把握できた。
クロノ執務官を始めとして事態に気付いた者達はいた。
そして彼は「対処」と言った、つまり何らかの対策を講じる気なのだ。
少なくとも奴は目に見えないエイリアンでもなければ幽霊でもない、戦える相手だ。
私は自分にそう言い聞かせ捜査の邪魔になる恐怖心を取り払った。
そう、恐れることはないと思った、思い込もうとした、

局員『ってかあいつら裏切りかよ!俺だけハブですかそーですかいいよいいよ戻ってネットの続きでも―――』

バサッ

ズルズルッ

突然天井から落下してきたアレが局員に覆い被さり―――そのまま歩き去って行く姿を見るまでは。

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