目撃
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管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」

第2話「目撃」




管理局X-FILE No00256389「アースラ乗員消失事件」②


だがわからない事がある。局員が消えたのと女性が消えたのは逆の位置だ。
つまり襲撃者がいたと仮定すれば局員を襲ってから彼女を襲うにはカメラを横切らねばならないはず。
だがもちろん監視カメラに不審な姿は無い……襲撃者は二人以上いるのか?
部下「何者かの襲撃を受けたのでしょうか?」
私「だが警備システムが作動した形跡は無かっただろう、襲撃者がいるとすればそこがおかしいんだ」
私は更なる手掛かりを求め別の場所の監視カメラをチェックしていった。
先ほどの映像以外は艦内は至って平穏、誰も2名の人間が消えたことに気付いていない様子だ。
そして何ヵ所目だっただろうか、格納庫へと続く廊下の映像にソレは映っていた。

局員「だからさ、A-25とD-18は見た目じゃ判断つかないけど別物なんだよ」
局員「やはり設計図無しでは無理があると言うことか……」

その瞬間私は目を疑った。
局員がまともな会話をしている事にではない。画面の隅に映り込んだソレを見たからだ。





ソレは――――

ズルズルッ

ひどく緩慢な動きで――――

ズルズルッ

しかし確固たる意思を感じさせる歩みで――――

ズルズルッ

廊下を歩いていた――――

ズルズルッ




突然カメラの視界にフェードインしてきたソレはなんとも形容し難いモノだった。
黒、そう黒いとしか言い様が無い。黒いもやのようにも黒い塊のようにも見える。
鮮明な映像を映し出すモニターの中でソレだけは視覚情報が曖昧だった。
引き摺るような歩みで動くソレは―――そう、「動いている」
何かはわからないがソレは生物的な「動き」を見せているのだ。

アレは…………一体何なんだ――――?

突然の事に我々は誰一人も声を発することなくモニターに見入っていた。
反対方向から歩いてくる局員達は議論に熱中しているのかソレに気付く様子は無い。
彼らとソレの距離は確実に縮まっていった。





局員「見た目は同じでも実際に組んでみると微妙にサイズが違うんだよ、後で必ず合わなくなるんだ」
距離10メートル

局員「うーん行けると思ったんだけどなー成功確率が0に近いんじゃ正式採用は無理か」
距離5メートル

局員「大体取説無しのガンプラ闇組みなんて無茶なんだよ。ストレス溜まるだけだっつーの」
距離3メートル

局員「新しい遊びのパイオニアになれると思ったがそんなに甘くは無かったか……じゃあゾイドで――」
距離2メートル

その時私は不謹慎ながらあの黒いモノが天誅を下してはくれまいかと心の隅で思った事を懺悔しておこう。





局員「おま、ゾイドなんてもっと無茶だっつーの!ビッグサイズでやったら胃に穴が空くぞ!」
距離1メートル

私「…………!」
全員が息を飲んだ、だが――――
局員「じゃあ間を取ってSDガンプラならどうよ?これなら行けそうじゃね?」
ソレと局員達はお互いが見えていないかのように擦れ違い、程なくして局員達は画面からフェードアウトした。
馬鹿な……いくらなんでもあの距離で気付かないわけが無い!どういうことだ!?
そう混乱した直後だが私は更に面倒を考えねばならない事になった。

局員達と擦れ違った直後に立ち止まっていたソレは、やっと何かに気付いたように、
彼らが去った方向へと引き返していったのだ……





私「あの先の通路の映像を出せ!今の直後の時間だ!」
部下「は、はい!」

通路の続きには先程の局員達が歩いていた、どうやらトイレに向かっていたようだ。
局員「もうちょっと待機室の近くにして欲しいよなートイレ」
局員「メンドイのもあるけど括約筋ハザードな時が危ないよな」
トイレに入っていく局員達、その10秒ほど後から――――

ズルズルッ

やはり緩慢な動作でやって来たそれは、開け放してあった扉からトイレに入っていった。
それから2分程してソレはトイレから出てくると来た道を引き返していったが―――

―――トイレに入った局員達はその後どんなに時間を進めても出てくることは無かった。





部下「隊長……アレは……」
私「わからん、だがどうやらアレが原因だろうな……この艦が無人になったのは」
目的も方法もわからないが一つだけ確信できたのは、
あの「黒い何か」がアースラの乗員を消し去ったという事だ。

まず考えねばならない事がある、最初に消された女性を襲ったのもアレだと仮定しよう。
女性はアレを視認していた、だが局員達には見えていなかった、これはどういう事だ?
奴は姿を消せる?監視カメラは光学迷彩もそれに近い作用の魔法も看破する特殊レンズだ。
カメラが情報を数値化して映したとすれば、相当高度な術ならばあの不安定な映り方にも納得がいく。

だが最初の襲撃ではカメラにも映っていなかった。
遠隔性のある魔法を使った?それともカメラにすら映らない―――――
そこまで考えて私はゾッとした。もし、もしもそうならば、アレは今現在も艦内にいて……

我 々 の 傍 に い る か も し れ な い 

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